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個別支援計画の目標・記入例・文例集
B型・グループホーム・生活介護

最終更新制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

個別支援計画の文例は、写して使うものではなく、本人のアセスメントに合わせて自分の言葉に直すための材料です。長期目標・短期目標・支援内容の3点をセットで組み立てます。

目標は「頑張る」「見守る」ではなく、観察できる行動で書きます。「週3日、午前の作業に参加する」のように回数・時間・期限を入れると、モニタリングで評価できます。

支援内容には、誰が・いつ・何をするかを入れます。この記事では、就労継続支援B型・共同生活援助・生活介護の3サービスについて、この形の文例を10例載せています。

文例の使い方
写さずに、本人のアセスメントに合わせて直す
目標の書き方
観察できる行動+回数・時間・期限のどれか
支援内容の書き方
誰が・いつ・何をするかが分かる形
収録している文例
B型4例・グループホーム3例・生活介護3例
制度基準日2026.08.31
根拠:指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条
目次

個別支援計画の文例を探すと、児童向けの例ばかりが出てきます。B型やグループホームなど、成人系サービスの例はなかなか見つかりません。この記事では、成人系3サービスの文例を、長期目標・短期目標・支援内容のセットで10例まとめました。

なお、この記事の文例はすべて架空のものです。特定の利用者の事例ではありません。

文例はそのまま使ってよいのか

文例はそのまま写すものではなく、本人のアセスメントに合わせて自分の言葉に直すための材料です。

個別支援計画は、面接によるアセスメントから立ち上げると定められています。利用者の希望と課題を把握し、そこから目標と支援内容を組み立てる順番です。文例から先に埋めると、この順番が逆になります。

利用者が違うのに同じ目標が並ぶ計画は、実地指導で突き合わせればすぐに分かります。アセスメントの記録と計画の中身がつながらないためです。

それでも、文例には使い道があります。目標をどんな形で書けばよいかという「型」を知るには、実例を見るのが早いからです。この記事の文例は、次の3点をそろえる形で書いています。

  • 目標は本人の希望から始める
  • 目標は観察できる行動で書き、回数・時間・期限のどれかを入れる
  • 支援内容は、誰が・いつ・何をするかが分かる形で書く

個別支援計画に全国共通の様式はありません。条文が定めているのは計画に書く事項で、様式そのものではないからです。作成の流れと同意・交付の決まりは、個別支援計画の書き方にまとめています。

実務ではこう組めます

担当者会議や面接で本人が話した言葉を、かぎかっこのまま意向欄に残す方法があります。本人の言葉から始まる計画は、文例をなぞった計画と読み味がまったく違います。

言葉が出にくい利用者では、選んだ場面や表情の記録を意向の根拠として残します。家族から聞き取った内容は、本人の希望とは分けて書きます。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

就労継続支援B型の文例

B型の文例は、通所の安定・工賃と作業・職員への相談・一般就労への準備の4つの軸で4例用意しました。

B型は作業の種類も工賃の水準も事業所ごとに違います。作業名や時間は、自分の事業所のものに置き換えて使ってください。

文例1:生活リズムを整えて働きたい人

  • 本人の希望:「朝から働ける体にして、任される仕事を増やしたい」
  • 長期目標(1年):週5日、午前10時の作業開始から通所し、1年を通して続ける
  • 短期目標(3か月):週3日、午前の作業に開始時刻から参加する
  • 支援内容:生活支援員が毎朝、出欠と体調を確認して記録する。欠席が2日続いたら、サービス管理責任者が本人に電話で状況を聞き、翌週の通所予定を一緒に立て直す

文例2:工賃を増やしたい人

  • 本人の希望:「工賃を増やして、ほしいものを自分のお金で買いたい」
  • 長期目標(1年):担当できる工程を2つから4つに増やし、月の作業時間を60時間にする
  • 短期目標(3か月):新しい工程(シール貼り)を、職員の声かけなしで最後まで進める
  • 支援内容:職業指導員が週1回30分、新しい工程の練習時間をとる。手順書は写真つきで用意する。月末にサービス管理責任者が、できるようになった工程を本人と一緒に確認する

文例3:困ったことを自分から伝えたい人

  • 本人の希望:「困ったときに、我慢しないで自分から言えるようになりたい」
  • 長期目標(1年):作業中に困ったことを、その日のうちに自分から職員に伝える
  • 短期目標(3か月):作業の区切りごとに「終わりました」と職員に伝える(1日3回以上)
  • 支援内容:職業指導員が、伝える相手を作業席のいちばん近くの職員に決めておく。伝えられた日は本人が記録票に丸をつけ、週の終わりに生活支援員と一緒に数を確かめる

文例4:一般就労を視野に入れたい人

  • 本人の希望:「いつかは会社で働きたい。ただ、今すぐは自信がない」
  • 長期目標(1年):施設外就労に月2回参加し、就労移行支援の見学に行くかどうかを自分で決める
  • 短期目標(6か月):施設外就労に職員の同行つきで参加し、感想を面談で話す
  • 支援内容:サービス管理責任者が3か月ごとの面談で、働き方の希望の変化を聞き取る。施設外就労の初回と2回目は職業指導員が同行し、作業の様子を記録して本人と共有する
実務ではこう組めます

工賃の目標は、金額よりも作業時間や担当工程の数で書くほうが振り返りやすくなります。工賃は受注の増減でも動くので、金額だけでは本人の変化を測れないためです。

金額で書く場合は、事業所の工賃規程と突き合わせて、達成の見込みがある水準にします。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

共同生活援助(グループホーム)の文例

グループホームの文例は、家事・金銭管理・日中活動との連携と地域移行の軸で3例用意しました。

グループホームでは、日中は別の事業所に通う利用者が多くいます。そのため、日中活動先との情報共有が支援内容に入ってくるのが特徴です。

文例5:食事を自分で作れるようになりたい人

  • 本人の希望:「自分の食事を自分で作れるようになりたい」
  • 長期目標(1年):夕食の調理を週2回、献立決めから片付けまで一人で行う
  • 短期目標(3か月):週1回、世話人と一緒に調理し、包丁を使う工程を担当する
  • 支援内容:世話人が毎週決まった曜日の夕食作りに本人と一緒に入り、できた工程を支援記録に残す。月1回、サービス管理責任者が記録をもとに、次の工程へ進めるかを本人と話す

文例6:お金のやりくりを身につけたい人

  • 本人の希望:「月の途中でお金がなくならないようにしたい」
  • 長期目標(1年):1週間ごとの予算で1か月をやりくりし、月末に残った額を自分で確認する
  • 短期目標(3か月):週の初めに世話人と1週間分の予算を決め、買い物のレシートを袋に入れて保管する
  • 支援内容:世話人が毎週日曜に、本人と一緒にレシートを集計する。大きな買い物の希望が出たら、サービス管理責任者が翌月の予算に組み込めるかを本人と検討する

文例7:一人暮らしに向かいたい人

  • 本人の希望:「ゆくゆくはアパートで一人暮らしがしたい」
  • 長期目標(2年):ごみ出し・通院・役所の手続きを、支援を受けながら一通り経験する
  • 短期目標(6か月):ごみ出しを曜日どおりに自分で行う。月1回の通院に職員の同行つきで行く
  • 支援内容:世話人が曜日カレンダーを居室に掲示し、初めの1か月は前夜に声をかける。サービス管理責任者が半年ごとに、日中活動先の担当者と会議で本人の様子を共有する

生活介護の文例

生活介護の文例は、健康の維持・意思表出・活動への参加の3つの軸で3例用意しました。

言葉での表出が少ない利用者では、アセスメントの段階から意思や選好を丁寧に把握することが求められています。目標も、本人の表出の方法に合わせた形で書きます。

文例8:体重を保ちたい人

  • 本人の希望:「体を動かして、体重をこれ以上増やしたくない」
  • 長期目標(1年):週3回の歩行プログラムに参加し、体重を今の水準で保つ
  • 短期目標(3か月):昼食後の散歩(15分)に週3回参加する
  • 支援内容:生活支援員が散歩の前に声をかけ、参加した日を健康記録に残す。看護職員が月1回体重を測り、結果を本人に分かる形で伝える

文例9:活動を自分で選びたい人

  • 本人の希望:午前の活動を自分で選びたい(表情と手の動きによる表出。家族からの聞き取りを併記)
  • 長期目標(1年):午前の活動を、絵カード2枚の中から自分で選んで参加する
  • 短期目標(3か月):好きな活動のカードを提示されたとき、手を伸ばす・視線を向けるなどの方法で選ぶ
  • 支援内容:生活支援員が毎朝、活動カードを2枚提示して選ぶ機会を作る。選んだ結果と表出の方法を記録し、サービス管理責任者が月1回、カードの組み合わせを見直す

文例10:好きな活動に長く参加したい人

  • 本人の希望:音楽の活動にもっと参加したい(活動中の表情から。家族からの聞き取りを併記)
  • 長期目標(1年):音楽活動に月4回参加し、タンバリンを自分で持って音を出す
  • 短期目標(3か月):音楽活動の場に15分とどまる。疲れたときは休憩をカードで伝える
  • 支援内容:生活支援員が活動の前に姿勢を整える介助を行い、参加した時間を記録する。疲れのサインが見えたら休憩に誘い、その様子をサービス管理責任者に伝える

「頑張る」「見守る」はどう直すか

観察できる行動に置き換えて、回数・時間・期限のどれかを入れると、評価できる目標に変わります。

条文は、目標と一緒に達成時期まで書くよう求めています。いつ達成したと言えるのかが決まらない目標は、この要求を満たせません。直す前と直した後を並べます。

「作業を頑張る」

  • 直す前(長期目標):作業を頑張る
  • 直した後(長期目標):週5日、午前の部品組立作業に10時の開始時刻から参加する

「頑張る」は、達成したかどうかを誰も判定できません。半年後のモニタリングで、できたともできなかったとも書けなくなります。行動と回数に置き換えると、出席の記録だけで評価できます。

「情緒の安定を図る」+「見守る」

  • 直す前:目標は「情緒の安定を図る」、支援内容は「見守り」
  • 直した後:目標は「気持ちが高ぶったときに、休憩カードを使って別室で10分休む」
  • 直した後の支援内容:生活支援員が高ぶりのサインを職員間の共有表に載せ、カードが出たら別室へ案内する

「見守る」だけの支援内容には、誰が何をするのかが書かれていません。これでは新しく入った職員が動けず、対応が人によって変わります。本人がとる行動と、職員がする対応に分けて書きます。

「コミュニケーション能力を高める」

  • 直す前(長期目標):コミュニケーション能力を高める
  • 直した後(長期目標):朝礼で週1回、当番としてその日の作業予定を読み上げる

能力そのものは直接測れません。能力が上がったと言える場面を1つ選び、その場面の行動を目標にします。どの場面を選ぶかの材料は、アセスメントの中にあります。

文例集PDFを受け取るには

この記事の10例を含む文例集は、B型・グループホーム・生活介護の3サービス分をPDF1冊にまとめています。

文例は、この記事と同じ長期目標・短期目標・支援内容のセットの形で収録しています。写さずに直して使うための考え方も、最初のページに入れています。受け取り方は、この下の案内にまとめています。

次に読むもの

文例を計画に落とすときは、作成の手順と見直しの周期もあわせて確かめてください。

よくある質問

Q. 目標が思いつかないときはどうすればいいですか?
A. アセスメントに戻るのが近道です。本人の希望・困りごと・できていることの3つを書き出し、希望にいちばん近いものを長期目標の種にします。それでも出ないときは、面接で聞き取れていない項目が残っていると考えて、聞き直します。
Q. 本人の希望と支援者の見立てがずれるときは?
A. 本人の希望を消さずに残すのが原則です。指定基準は、利用者と家族の生活に対する意向を計画に書くよう求めています。希望はそのまま書き、見立てとの差は達成時期と支援内容の組み立てで埋めます。
Q. 文例をそのまま使ってもいいですか?
A. そのままの流用はおすすめできません。個別支援計画は、本人へのアセスメントに基づいて作るものだからです。文例は形を借りる材料にして、行動・回数・期限を本人の状況に置き換えてください。
Q. 長期目標と短期目標の期間に決まりはありますか?
A. 期間の決まりは条文にありません。条文が求めているのは、目標とその達成時期を書くことです。実務では長期を1年程度、短期を3〜6か月にして、モニタリングの周期と合わせる形が組みやすいです。
この記事の根拠資料
最終確認:2026.08.31

この記事の更新履歴

2026.08.31公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者を雇う側として、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
文例集

個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)

長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。

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