個別支援計画のモニタリングの書き方
記入例8本と頻度・見直しの手順
モニタリングは、個別支援計画の実施状況を把握し、計画を見直す業務です。計画の作成後に、サービス管理責任者が行うと定められています。
頻度は少なくとも6月に1回以上です。自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、自立生活援助の4サービスでは、3月に1回以上に読み替えます。
利用者や家族との連絡を続け、定期的に面接して、結果を記録します。記録は、目標ごとの達成状況・本人の言葉・次の手当ての3つで書くと見直しに使えます。計画を変更するときは、アセスメントから交付までの手順を繰り返します。
- 行う人
- サービス管理責任者
- すること
- 実施状況の把握、定期的な面接、結果の記録、計画の見直し
- 頻度
- 少なくとも6月に1回以上(4サービスは3月に1回以上)
- 計画を変更するとき
- アセスメントから交付までの手順を繰り返す
- 怠ると
- 個別支援計画未作成減算の対象になり得る
- 収録している記入例
- B型・A型・就労移行支援・自立訓練(生活訓練)・生活介護・グループホームの8本(すべて架空)
目次
モニタリングは、個別支援計画を作ったあとに必ず回ってくる業務です。ここでは頻度と記録の書き方を、指定基準の原文から整理します。後半には、サービスと状況の違う記入例を8本並べます。
モニタリングとは何をすることか
モニタリングは、個別支援計画の実施状況を把握し、必要に応じて計画を見直す業務です。
行うのはサービス管理責任者です。条文は、実施状況の把握に、利用者についての継続的なアセスメントを含めています。計画どおりに支援が動いているかだけでなく、本人の状態や希望の変化まで見る仕事です。
進め方について、条文は2つのことを定めています。
- 定期的に利用者に面接すること
- 定期的にモニタリングの結果を記録すること
あわせて、利用者や家族等との連絡を継続的に行うこととされています。定期的な面接と記録は「特段の事情のない限り」行うものとされています。例外は「特段の事情」がある場合に限られ、どんな事情かは条文に書かれていません。
位置づけとしては、作成の6段階の最後にあたります。同時に、次の計画に向けたアセスメントの入り口でもあります。アセスメントから交付までの流れは、個別支援計画の書き方にまとめています。
頻度はどれくらいか
頻度は少なくとも6月に1回以上で、4つのサービスでは3月に1回以上に読み替えます。
| サービス | 見直しの周期 | 根拠 |
|---|---|---|
| 療養介護・生活介護 | 少なくとも6月に1回以上 | 第58条第9項/第93条で準用 |
| 就労継続支援A型・B型 | 少なくとも6月に1回以上 | 第197条・第202条で準用 |
| 共同生活援助 | 少なくとも6月に1回以上 | 第213条で準用 |
| 就労定着支援 | 少なくとも6月に1回以上 | 第206条の12で準用 |
| 自立訓練機能訓練・生活訓練とも | 少なくとも3月に1回以上 | 第162条・第171条で「六月」を「三月」と読み替え |
| 就労移行支援 | 少なくとも3月に1回以上 | 第184条で「六月」を「三月」と読み替え |
| 自立生活援助 | 少なくとも3月に1回以上 | 第206条の20で「六月」を「三月」と読み替え |
出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第9項および各準用規定(2026-10-28確認) 原文 ↗
これは最低限の頻度です。この間隔で見ていれば足りる、という意味ではありません。体調や作業、家庭の状況が変わったときは、周期を待たずに見直します。記入例7が、その場面の書き方です。
周期の起点をどこに置くかまでは、条文に定めがありません。数え方の細部は指定権者の運用で違いがあります。同意日・交付日のうち早いほうから数えても上限を超えない日に置いておくと、多くの数え方で外しにくくなります。
何を書くのか
様式の定めは無いので、この記事では計画の目標ごとに達成状況・本人の言葉・次の手当ての3つで書く形を勧めます。
条文が求めているのは、定期的に記録することそのものです。項目や様式は決めていません。ただ、モニタリングは計画の見直しにつなぐための業務です。次の3つがそろっていれば、見直しの判断がそのままできます。
- 目標ごとの達成状況(できた・できないを、行動の事実で書く)
- 本人の言葉(面接で話したことを、かぎかっこのまま残す)
- 次の手当て(支援を続けるか、変えるか。変えるなら何を変えるか)
達成状況は、計画の短期目標と同じ数え方で書きます。計画に「週3日」とあれば、記録も日数で書きます。数え方がそろっていないと、達成したかどうかを誰も判定できません。
評価できる目標の立て方そのものを直したいときは、長期目標・短期目標の例を見てください。
モニタリングの記入例8本
8本は、B型・A型・就労移行支援・自立訓練・生活介護・グループホームから、状況の違う場面を選びました。
目標に近づいている、届いていない、体調で通所が減った、本人の希望が変わった、といった場面です。見直しの周期は、サービスごとに6月か3月かが違います。
| 記入例 | サービス | 状況 | 見直しの周期 |
|---|---|---|---|
| 記入例1 | 就労継続支援B型 | 目標に近づいている | 少なくとも6月に1回以上 |
| 記入例2 | 生活介護 | 目標を達成できていない | 少なくとも6月に1回以上 |
| 記入例3 | 就労移行支援 | 計画どおり進み、次の段階へ移る | 少なくとも3月に1回以上 |
| 記入例4 | 就労継続支援A型 | 体調をくずして出勤が減った | 少なくとも6月に1回以上 |
| 記入例5 | 共同生活援助(グループホーム) | 本人の希望が変わった | 少なくとも6月に1回以上 |
| 記入例6 | 自立訓練(生活訓練) | 目標が評価できない書き方だった | 少なくとも3月に1回以上 |
| 記入例7 | 就労継続支援B型 | 家族の入院で、周期を待たずに見直す | 少なくとも6月に1回以上 |
| 記入例8 | 生活介護 | 計画を変えずに続ける | 少なくとも6月に1回以上 |
出典:見直しの周期は 厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第9項および各準用規定(2026-10-28確認) 原文 ↗
どの例も、達成状況・本人の言葉・次の手当ての3つで書いています。作業の名前や数字は、自分の事業所のものに置き換えて使ってください。記入例はすべて架空のもので、実在の利用者・事業所とは関係ありません。
記入例1:B型で、目標に近づいている場合
就労継続支援B型で、短期目標が「週3日、午前の作業に開始時刻から参加する」の利用者を想定します。まず悪い例です。
- 達成状況:おおむね良好。引き続き頑張ってもらいたい
「おおむね良好」では、達成したかどうかを誰も判定できません。次の計画をどう変えるのかも、ここからは決められません。同じ利用者を、良い例で書き直します。
- 達成状況:直近3か月の通所は週2〜3日。直近1か月の通所12回のうち、開始時刻から参加できたのは9回。欠席の翌日は通所できている
- 本人の言葉:「朝は起きられるようになった。週4日にしてもやれる気がする」
- 次の手当て:短期目標を週4日に引き上げる方向で計画の変更を検討する。毎朝の電話確認は、本人と相談して終了する
目標の数字と実績の数字が並んでいるので、達成の判定がそのままできます。本人の言葉が根拠になって、次の目標の水準も決まります。
記入例2:生活介護で、目標を達成できていない場合
生活介護の生産活動で、新しい工程を覚える短期目標を立てた利用者です。
- 達成状況:新しい工程(シール貼り)は、声かけなしでは途中で手が止まる。12月から欠席が増え、月の通所は8日
- 本人の言葉:「新しい作業は難しい。前の作業のほうが安心する」
- 次の手当て:工程の練習をいったん止めて、慣れた作業に戻す。目標の達成時期を3か月延ばす方向で計画の変更を検討する
達成できていないときほど、記録の価値が出ます。うまくいかなかった事実と本人の言葉が残っていれば、次の計画は思いつきではなく根拠から立てられます。
記入例3:就労移行支援で、計画どおり進んだ場合
就労移行支援は、見直しの周期が3月です。短期目標が「事務補助の実習に、2週間休まず通う」の利用者を想定します。
- 達成状況:協力企業での事務補助の実習10日間に、遅刻・欠席なしで参加した。データ入力は1時間あたり120件で、誤りは後半に1日2件以下になった。実習先からは、電話の取り次ぎに練習が要るとの評価を受けた
- 本人の言葉:「入力の仕事なら続けられそう。電話はまだ怖い」
- 次の手当て:短期目標を「事務補助の求人に2社応募する」に変える方向で計画の変更を検討する。電話の取り次ぎは、事業所内で週2回の練習を加える。応募先は、就労支援員が本人と求人票を見ながら選ぶ
目標を達成したときも、「達成」と書くだけで終わらせません。実習先の評価のような外からの情報を残すと、次の目標の中身が決まります。3月ごとに見直すので、次の短期目標も3月で確かめられる大きさにします。
記入例4:A型で、体調をくずして出勤が減った場合
就労継続支援A型で、雇用契約を結んで週5日、1日4時間働いている利用者です。短期目標は「週5日の勤務を続ける」でした。
- 達成状況:9月から、出勤は週3日に減った。欠勤の連絡は、いずれも朝のうちに本人から電話であった。出勤した日の作業量は、以前と変わらない
- 本人の言葉:「夜、眠れない日が続いている。仕事はやめたくない」
- 次の手当て:本人の同意を得て、主治医の意見を聞く。勤務日数を減らす案と、1日の勤務時間を短くする案を本人と比べる。決めた働き方に合わせて計画の変更を検討し、勤務条件の見直しは管理者と本人で相談できるよう調整する
体調の変化を欠勤の数だけで書くと、評価が「できていない」に寄ります。欠勤の連絡や出勤日の作業量のように、保てている事実も並べます。本人の「やめたくない」という言葉は、働き方を変えて続ける根拠になります。
記入例5:グループホームで、本人の希望が変わった場合
共同生活援助(グループホーム)で、長期目標を「ホームでの暮らしを安定して続ける」としていた利用者です。
- 達成状況:服薬は、世話人の声かけなしで毎日自分で飲めている。夕食づくりは週1回、世話人と一緒に行っている。毎月の生活費を、ノートに自分でつけ始めた
- 本人の言葉:「来年は、職場の近くで一人暮らしをしてみたい」
- 次の手当て:長期目標を、一人暮らしに向けた内容に変える方向で計画の変更を検討する。調理と金銭管理の練習を増やす。相談支援専門員に本人の希望を伝え、サービス等利用計画の見直しを相談する
今の目標が順調でも、本人の目指す暮らしが変われば、目標の向きを変えます。計画は、本人だけでなく相談支援事業者にも交付する決まりです。サービス等利用計画を作る相談支援専門員とも、同じ希望を共有しておきます。
記入例6:自立訓練(生活訓練)で、目標の書き方を見直す場合
自立訓練(生活訓練)は、就労移行支援と同じく3月ごとの見直しです。短期目標は「生活リズムを整える」でした。
- 達成状況:目標に基準がなく、達成したかどうかを判定できなかった。記録では、起床は7時から10時までばらつき、通所は週3〜4日だった。10時より遅く起きた日は、通所していない
- 本人の言葉:「朝は起きられる日もある。8時に起きられたら、午前中から来られる」
- 次の手当て:短期目標を「平日は8時までに起きて、週4日、10時の朝の会に参加する」に書き直す方向で、計画の変更を検討する。起床時刻は本人が記録表につけ、週1回職員と一緒に見る
評価できない目標は、モニタリングの時点で初めて困ります。記録から事実を拾い、次は数えられる形に直します。目標を書き直すときも、計画の変更としてアセスメントからやり直します。
記入例7:B型で、周期を待たずに見直す場合
就労継続支援B型で、前回の見直しから2か月たった利用者です。同居の母親が入院し、朝の送り出しをする人がいなくなりました。
- 達成状況:母親の入院から2週間、週5日の予定のうち通所は週1日になった。通所した日は、昼食をとっていなかった。作業の手順や量には変化がない
- 本人の言葉:「朝、一人だと準備が間に合わない。お昼のお金もない」
- 次の手当て:6月の周期を待たずに、計画の変更を検討する。相談支援専門員に連絡し、送迎や家での支援を使えるか相談する。昼食は、事業所の食事提供を使えるか本人と確かめる
変化の原因が事業所の外にあるときは、作業の記録だけでは分かりません。面接で本人の暮らしまで聞き、次の手当てを事業所の外にもつなぎます。臨時に見直したときも、記録の書き方は定期のときと同じです。
記入例8:生活介護で、計画を変えずに続ける場合
生活介護で、言葉での表出が少ない利用者です。短期目標は「午前の散歩に、20分間参加する」でした。
- 達成状況:3か月で散歩の日は36日あり、そのうち31日は20分間歩いた。雨の翌日は、玄関で立ち止まることが多い。歩いている間に職員と手をつなぐ時間は、少しずつ短くなっている
- 本人の言葉:言葉での答えはない。散歩の写真カードを見せると、自分から靴を取りに行く。家族からは、家でも外に出たがる日が増えたと聞いている
- 次の手当て:短期目標と支援内容は変えずに、次の見直しまで続ける。理由は、目標をおおむね達成しつつあり、散歩を楽しんでいる様子が見られるため。雨の翌日は、玄関で天気を一緒に確かめてから出る
言葉での答えが少ない人でも、本人の欄は空けません。条文は、意思決定に困難を抱える人の意思と選好を、丁寧に把握するよう求めています。モニタリングは継続的なアセスメントを含むので、同じ考え方で書きます。計画を変えないと決めたときは、その判断と理由を残します。
記録は、日々の支援記録から数字を拾って書きます。通所日数や作業量を面接の直前に数え直す作り方だと、記入例のような事実の行が埋まりません。
次の手当てに「計画の変更を検討する」と書いたら、その日のうちに変更の段取りを決めます。記録だけ残って計画が変わらないままだと、実地指導で記録と計画の食い違いを問われやすくなります。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
面談はどう進めるか
面談は、計画に書いた目標を1つずつ確かめる形にすると、短い時間でも記録まで届きます。
条文が求めているのは定期的な面接で、時間や場所、進め方の決まりはありません。ただ、近況の雑談だけで終わると、記録に書けることが残りません。計画を間に置いて話すのがこつです。
面談の前に、目標ごとの実績(通所日数や作業の記録)を支援員から集めておきます。面談の場では数字の確認に時間を使わず、本人がどう感じているかを聞くことに充てられます。
本人の言葉は、その場でかぎかっこ付きのメモにします。面談の終わりに、計画をどう変えようと考えているかを口頭で伝えておくと、変更時の説明と同意が進めやすくなります。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
結果を計画にどう反映するか
見直しの結果、計画を変更するときは、アセスメントから交付までの手順をもう一度たどります。
条文は、計画の作成手順を定めた規定を、計画の変更にそのまま準用しています。原案を作り、会議で意見を求め、説明して文書で同意を得て、交付するところまで同じです。日付と期間だけを書き替える進め方は、この準用と合いません。
変更しない判断もあります。見直した結果、今の計画を続けると決めたときは、その判断と理由を記録に残します。記録が無いと、見直しをしていない状態と区別が付かなくなります。
モニタリングを怠るとどうなるか
面接や記録を欠いた状態が続くと、該当する利用者について報酬の減算につながり得ます。
個別支援計画未作成減算は、計画が無い場合だけの減算ではありません。留意事項通知は、計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていない場合も対象に挙げています。モニタリングは計画の条文に定められた業務なので、面接や記録を欠いた状態は、この一連の業務を欠く状態に当たり得ます。
減算の幅は、減算が始まった月から2か月目までは所定単位数の100分の70、3か月目からは100分の50です。対象になるのは該当する利用者だけで、全利用者には及びません。期間の数え方と計算例は、個別支援計画未作成減算の記事にまとめています。
減算だけの話でもありません。実地指導では、計画と支援記録とモニタリング記録の突き合わせが定番です。周期どおりの記録が残っているかを、年に1回は自分の側で棚卸ししておくと安心です。
次に読むもの
モニタリングの前後の工程と、サービス別の計画の記入例は、それぞれ別の記事にしています。
- 個別支援計画の書き方 … アセスメントから交付までの6段階と、同意・交付の決まり
- 個別支援計画の記入例・文例集 … 評価できる目標の書き方と文例
- 長期目標・短期目標の例 … 期間の目安と、領域別の目標例
- B型の個別支援計画 記入例 … 在宅利用・施設外就労など場面別の8本
- グループホームの個別支援計画 記入例 … 服薬・夜間・日中活動先との連携など8例
- 生活介護の個別支援計画 記入例8本 … 目標と標準的な時間の書き方
- 個別支援計画未作成減算 … 減算幅と期間の数え方、対象になる利用者
よくある質問
個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)
長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。
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