サビ管の「これで合っているか」に答えます

個別支援計画の書き方【完全ガイド】
作成の流れ・記入例・期限まで

最終更新制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

個別支援計画は、サービス管理責任者が作る、利用者ごとの支援の目標と内容を書いた計画書です。作成の手順は指定障害福祉サービス基準に定められています。

手順は6つあります。アセスメント、原案の作成、会議、説明と同意、交付、モニタリングの順です。会議も同意も原案の段階で行い、同意を得てから計画として交付します。

同意は、原案について文書で利用者本人から得ます。交付先は利用者と指定特定相談支援事業者等です。作成後は少なくとも6月に1回以上見直します。自立訓練・就労移行支援・自立生活援助は3月に1回以上です。

作成する人
サービス管理責任者
手順
アセスメント → 原案 → 会議 → 説明と同意 → 交付 → モニタリング
同意の方法
原案について、文書により利用者本人の同意を得る
交付する相手
利用者と指定特定相談支援事業者等
見直しの周期
少なくとも6月に1回以上(自立訓練・就労移行支援・自立生活援助は3月に1回以上)
保存期間
サービスを提供した日から5年間
制度基準日2026.08.31
根拠:指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条
目次

個別支援計画は、サビ管の仕事の中心にあります。ただ、条文が何を求めているかを確かめないまま、前任者の形をなぞって作られている事業所も少なくありません。ここでは作成の流れと期限を、指定基準の原文から順に整理します。

個別支援計画とは何か

個別支援計画は、利用者ごとの支援の目標と内容を書いた計画書で、作るのはサービス管理責任者です。

事業所の管理者は、この計画の作成に関する業務をサビ管に担当させます。指定基準がそう定めています。サビ管が担うのは書類仕事ではなく、支援の設計そのものです。

条文の中では、サービスの種類ごとに計画の名前が変わります。就労継続支援B型なら就労継続支援B型計画、生活介護なら生活介護計画です。呼び名は違っても、根拠になる条文は一本です。

相談支援専門員が作るサービス等利用計画とは別のものです。サービス等利用計画が生活全体の見取り図で、個別支援計画は事業所の中で何をするかを書きます。

作成はどう進むのか

アセスメント、原案の作成、会議、説明と同意、交付、モニタリングの6つを、この順で進めます。

個別支援計画の作成手順と、根拠になる条項
段階条文が求めていること根拠となる項
アセスメント面接を省略できる規定は置かれていません利用者に面接して行います。能力・環境・日常生活全般の状況を評価し、希望する生活や課題を把握します。自ら意思を決定することに困難がある人には、意思・選好・判断能力を丁寧に把握します。第2項〜第4項
原案の作成意向、総合的な支援の方針、生活全般の質を向上させるための課題、目標と達成時期、提供上の留意事項を書きます。他のサービスとの連携も位置づけるよう努めます。第5項
会議テレビ電話装置等でも開けます利用者と、支援に当たる担当者等を招集します。意向を改めて確認したうえで、原案の内容について意見を求めます。第6項
説明と同意原案の内容を利用者またはその家族に説明します。そのうえで、文書により利用者の同意を得ます。第7項
交付計画を作成したら、利用者と指定特定相談支援事業者等に交付します。第8項
モニタリング見直しの周期はサービスの種類で違います実施状況を把握し、計画を見直します。利用者や家族と連絡を続け、定期的に面接し、結果を記録します。第9項・第10項

出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条(2026-08-31確認) 原文 ↗

この順番は入れ替えられません。会議で意見を求める相手も、同意を得る相手も、まだ原案の段階の計画です。計画として確定するのは同意のあとになります。

計画を変更するときも、同じ手順を踏みます。アセスメントからやり直し、原案、会議、説明と同意、交付までを繰り返します。周期が来たから日付だけ書き替える、という進め方は条文と合いません。

いつまでに作るのか

条文に日数の期限はなく、支援は計画に基づいて行うと定められているため、提供の開始時点で計画が必要です。

計画がないまま支援を続けると、報酬が減額されます。対象になるのは計画がない利用者だけで、期間が3月以上になると減算の幅が広がります。この減算の数え方は、未作成減算の記事にまとめています。

作ったあとは、決まった周期で見直します。周期はサービスの種類で違い、原則の6月に1回以上を3月に1回以上へ読み替えるサービスがあります。

サービス種別ごとの、個別支援計画を見直す周期
サービス見直しの周期根拠
療養介護・生活介護少なくとも6月に1回以上第58条第9項/第93条で準用
就労継続支援A型・B型少なくとも6月に1回以上第197条・第202条で準用
共同生活援助少なくとも6月に1回以上第213条で準用
就労定着支援少なくとも6月に1回以上第206条の12で準用
自立訓練機能訓練・生活訓練とも少なくとも3月に1回以上第162条・第171条で「六月」を「三月」と読み替え
就労移行支援少なくとも3月に1回以上第184条で「六月」を「三月」と読み替え
自立生活援助少なくとも3月に1回以上第206条の20で「六月」を「三月」と読み替え

出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第9項および各準用規定(2026-08-31確認) 原文 ↗

これは最低限の頻度です。この間隔で足りるという意味ではありません。状態が変われば、周期を待たずに見直します。施設入所支援については、施設向けの基準に同じ仕組みが置かれています。

サビ管以外が作ってもよいのか

作成の責任者はサビ管ですが、アセスメントから原案作成までは基礎研修修了者に行わせることができます。

条文で主語になっているのは、どの段階もサービス管理責任者です。会議の開催、説明と同意、交付、モニタリングは、サビ管が行うものとして書かれています。利用者への面接も同じです。

その一方で、サビ管が配置されている事業所については、告示に別の定めがあります。アセスメントから原案作成までの業務を基礎研修修了者に行わせることができ、その人を配置数に算入できるという内容です。

減算の側から見ても、同じところに線が引かれています。減算になるのは「サービス管理責任者による指揮の下」で計画が作られていない場合だと、留意事項通知が示しています。指揮の下にあるかが分かれ目になります。

支援員が記録を持ち寄ることや、原案の素材を用意することは妨げられていません。分担そのものは禁じられていないので、名前を書く人を決めるより、どこまでを誰が担うかを先に決めるほうが実務は動きます。

実務ではこう組めます

面接と原案作成をサビ管が引き受け、日々の記録の要約と工賃や作業の実績を支援員が用意する形にすると、面接に集中する時間を作れます。担当者会議の招集事務も、支援員側に寄せられる部分です。

基礎研修修了者がいる事業所なら、アセスメントと原案作成まで任せられます。任せた記録はそのまま実践研修の受講要件の裏づけにもなるので、期間と件数を残しておくと後で困りません。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

原案に本人のサインは必要か

条文が求めているのは原案への文書による同意で、署名や押印といった形式までは定めていません。

説明する相手と同意を得る相手は、条文で書き分けられています。説明の相手は利用者またはその家族です。同意を得る相手は利用者本人に限られます。家族の同意で代えられるとは書かれていません。

同意を得たら、計画を交付します。交付先は利用者だけではありません。指定特定相談支援事業者等も相手に含まれます。本人に渡して終わりにすると、条文の要求を半分しか満たせません。

押印については、報酬の算定にあたって押印を要する文書は、押印を不要とする変更が行われたものとみなして扱うとされています。様式の「印」の表記を削る形です。同意そのものを省いてよいという意味ではありません。

計画は、サービスを提供した日から5年間保存します。

実務ではこう組めます

日付は、同意日・交付日・支援の開始日の3つを1枚の台帳で並べて持つと崩れません。実地指導で見られるのは書類そのものより、この3つの前後関係です。

次の見直し期限も同じ台帳に入れておきます。周期は前回の交付日ではなく、サービスの種類ごとの上限から逆算して置くほうが、月末にまとめて焦らずに済みます。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

書き方でつまずくのはどこか

つまずくのは目標です。条文が目標と一緒に達成時期まで書くよう求めているためです。

原案に書く事項は、条文が挙げています。

  • 利用者及びその家族の生活に対する意向
  • 総合的な支援の方針
  • 生活全般の質を向上させるための課題
  • サービスの目標及びその達成時期
  • サービスを提供する上での留意事項

達成時期を書く欄がある以上、いつ達成したと言えるのかが決まっていなければなりません。ここが曖昧だと、モニタリングのときに評価できなくなります。

「意欲を持って作業に取り組む」は評価できない書き方です。何が、どれくらい、いつまでにできている状態かを書けば、半年後に同じ物差しで見直せます。

もう一つのつまずきは、本人の希望と支援者の見立てがずれる場面です。条文は、まず利用者の自己決定を尊重するとしています。意思決定に困難がある人には、意思・選好・判断能力を丁寧に把握することも求めています。

見立てのほうが妥当だと感じても、希望を消して書き換えるのは筋が違います。希望はそのまま残すほうが、説明と同意の場面でも話が通ります。そこへ近づく道すじとして、支援内容と達成時期を組み立てます。

様式と文例はどこにあるか

全国共通の様式はなく、条文が定めているのは計画に書く事項であって、様式そのものではありません。

都道府県や市が参考様式を配っていることがあります。実地指導で使われるのはその様式なので、自分の指定権者の案内を先に見るほうが確実です。

書き方の中身は、サービスの種類で変わります。目標の立て方も、聞き取る項目も同じではありません。文例とアセスメントの様式は、それぞれ別の記事にまとめています。

次に読むもの

見直しの回し方と、減算の数え方は別の記事にしています。

よくある質問

Q. サビ管以外が個別支援計画を作れますか?
A. 作成の責任者はサービス管理責任者です。ただしサビ管が配置されている事業所なら、アセスメントと原案作成までを基礎研修修了者に行わせることができます。会議、説明と同意、交付、モニタリングはサビ管の業務です。
Q. 個別支援計画はいつまでに作成しますか?
A. 支援を始める時点で必要です。条文に日数の期限はありませんが、支援は計画に基づいて行うと定められています。計画がない月は、その利用者について報酬が減額されます。
Q. 原案に本人のサインは必要ですか?
A. 文書で同意を得ることが必要です。条文は文書により利用者の同意を得ると定めていますが、署名や押印の形式までは決めていません。押印については、不要とする変更が行われたものとみなして扱うとされています。
Q. 作成日と同意日はどちらが先ですか?
A. 原案への同意が先です。条文は、原案を説明して文書で同意を得たあとに、作成した計画を交付すると定めています。交付日が同意日より前になっている書類は、条文の順番と合いません。
Q. 個別支援計画を作っていないとどうなりますか?
A. 報酬が減額されます。対象になるのは計画がない利用者だけで、サビ管欠如減算のように全利用者には及びません。作成されていない期間が3月以上になると、減算の幅が広がります。
この記事の根拠資料
最終確認:2026.08.31

この記事の更新履歴

2026.08.31公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者を雇う側として、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
文例集

個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)

長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。

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