サビ管の「これで合っているか」に答えます

サビ管の実務経験の数え方
対象業務の一覧表と180日換算

最終更新制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

実務経験は、業務の中身と資格の有無で4つの区分に分けられます。必要な年数は、区分の組み合わせで決まります。

相談支援の業務と、社会福祉主事任用資格者等が行った直接支援の業務は、あわせて通算5年以上です。資格を持たない人の直接支援の業務だけなら通算8年以上になります。

23の国家資格のどれかを持つ人は、相談支援または直接支援が通算3年以上あれば足ります。あわせて、資格に基づく業務が通算3年以上必要です。

対象になる職場は、告示が区分ごとに名指しで挙げています。1年を実働180日として数える扱いは告示になく、都道府県の運用です。

(一) 相談支援の業務
(二)とあわせて通算5年以上
(二) 直接支援の業務(社会福祉主事任用資格者等)
(一)とあわせて通算5年以上
(三) 直接支援の業務(それ以外の人)
通算8年以上
(四) 国家資格に基づく業務
(一)〜(三)が3年以上 + (四)が3年以上
対象になる職場
告示が区分ごとに名指しで列挙
1年=180日換算
告示の定めではなく都道府県の運用
制度基準日2026.08.31
根拠:平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)
目次

自分のこれまでの職歴が実務経験に入るのか。サビ管を目指すときに、いちばん判断しにくいところです。告示は、業務の中身と働いていた職場の両方で線を引いています。ここでは、その線の引き方と年数の数え方を原文から整理します。

実務経験は何で分けられているのか

実務経験は業務の中身と資格の有無で4つの区分に分けられ、区分の組み合わせで必要な年数が決まります。

告示は、区分に(一)から(四)までの記号を振っています。中身は次のとおりです。

  • (一) 相談支援の業務
  • (二) 社会福祉主事任用資格者等が行った直接支援の業務
  • (三) それ以外の人が行った直接支援の業務
  • (四) 国家資格に基づく業務
実務経験の4区分と必要な年数
区分業務の中身必要な年数
(一) 相談支援の業務障害や環境上の理由で日常生活に支障がある人の相談に応じ、助言や指導などの支援を行う業務です。(二)とあわせて通算5年以上
(二) 直接支援の業務社会福祉主事任用資格者等が行った期間入浴・排せつ・食事などの介護、日常生活の動作の指導、知識技能の付与、生活能力の向上のための訓練などです。(一)とあわせて通算5年以上
(三) 直接支援の業務それ以外の人が行った期間業務の中身は(二)と同じです。違うのは、行った人が社会福祉主事任用資格者等でないことだけです。通算8年以上
(四) 国家資格に基づく業務告示が名指しする23資格医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師など23の資格に基づく業務です。(一)〜(三)が通算3年以上 + (四)が通算3年以上

出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)(2026-08-31確認) 原文 ↗

同じ介護の仕事でも、資格の有無で(二)と(三)に分かれます。ここが5年と8年の分かれ目になります。

社会福祉主事任用資格者等は、告示が(二)の中で定義している言葉です。次のどれかに当たる人を指します。

  • 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する人
  • 相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了するなどして、相談支援の業務に必要な知識と技術を修得したと認められる人
  • 保育士
  • 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第43条第1項各号のいずれかに該当する人
  • 廃止前の精神障害者社会復帰施設の設備及び運営に関する基準第17条第2項各号のいずれかに該当する人

条文の言い回しなので分かりにくいところです。千葉県は、この区分に当たる人を次の4つで案内しています。

  • 社会福祉主事任用資格を有する者(社会福祉士、精神保健福祉士を含む)
  • 保育士
  • 児童指導員任用資格者
  • 介護職員初任者研修に相当する研修を修了した者

保育士は**(四)の23資格に入りません**。その代わり、この(二)の側に名前が挙がっています。保育士として直接支援の業務をしてきた人は、8年ではなく5年の側で数えます。

どの職場が対象になるのか

対象になる職場は告示が名指しで挙げていて、相談支援と直接支援では並んでいる施設が違います。

まず相談支援の業務です。告示は(一)のaからfに職場を並べています。

相談支援の業務として認められる職場
職場の種類告示に挙がっているもの
相談支援の事業告示 (一)a一般相談支援事業、特定相談支援事業、障害児相談支援事業、地域生活支援事業、身体障害者相談支援事業、知的障害者相談支援事業、居宅介護支援事業、介護予防支援事業
行政の相談機関告示 (一)b児童相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、福祉に関する事務所(福祉事務所)、発達障害者支援センター、高次脳機能障害者支援センター、廃止前の精神障害者社会復帰施設
入所・通所の施設告示 (一)c障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、介護医療院、地域包括支援センター
就労の支援機関告示 (一)d障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター
学校告示 (一)e特別支援学校
医療機関告示 (一)f・条件つき病院、診療所

出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)(一)(2026-08-31確認) 原文 ↗

fの病院・診療所だけは条件が付いています。次のどれかに当たる人に限られます。

  • 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する人
  • 相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了するなどして、必要な知識と技術を修得したと認められる人
  • (四)の23の国家資格のどれかを持つ人
  • aからeまでの職場での従事期間が1年以上ある人

次に直接支援の業務です。告示は(二)のaからeに職場を並べています。(三)も同じaからeを使います。

直接支援の業務として認められる職場
職場の種類告示に挙がっているもの
入所施設・療養病床告示 (二)a障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、病院・診療所の病室のうち療養病床にあたるもの
通所・訪問の事業告示 (二)b障害福祉サービス事業、障害児通所支援事業、老人居宅介護等事業
医療機関・薬局告示 (二)c病院、診療所、薬局、訪問看護事業所
障害者雇用の事業所告示 (二)d特例子会社(障害者雇用促進法第44条第1項の子会社)、重度障害者多数雇用事業所設置等助成金の支給を受けた事業所
学校告示 (二)e特別支援学校

出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)(二)・(三)(2026-08-31確認) 原文 ↗

(二)と(三)で違うのは、働いていた人が社会福祉主事任用資格者等かどうかだけです。職場の一覧は共通です。

どの行にも「その他これらに準ずる施設」「これに準ずる者」といった言葉が添えられています。一覧に無い職場でも、準ずると都道府県知事が認めれば入る余地があります。

年数はどう数えるのか

年数は対象の業務に従事した期間を通算して数え、複数の職場にまたがっていても合算できます。

告示は「通算して五年以上」のように、期間だけを定めています。1日あたりの勤務時間や、1年あたりの勤務日数の下限は書かれていません。

そのうえで、多くの都道府県が実働日数の目安を運用として置いています。よく使われるのが1年あたり180日です。

1年を180日として換算した場合の日数
必要な年数在籍していた期間実際に従事した日数
3年以上3年以上通算540日以上千葉県が例に挙げている値
5年以上5年以上通算900日以上
8年以上8年以上通算1,440日以上

出典:千葉県 実務経験一覧(告示要約版)(2026-08-31確認)。同資料は「1年以上の実務経験=従事日数180日以上」「3年以上=540日以上」と示している。5年・8年は同じ換算による値 原文 ↗

この日数は告示の定めではありません。都道府県が示している運用なので、扱いが分かれることがあります。自分が申し込む都道府県の案内で確かめてください。

国家資格の経路には、もう1つ確かめておきたい点があります。(四)の3年と、(一)から(三)の3年を重ねてよいかどうかです。千葉県は、この2つを同じ時期で算定してよいとしています。重ねられれば、必要な年数は合計6年ではなく3年で済みます。

パートや非常勤でも数えられるのか

実務経験は雇用形態で区別されないので、パートや非常勤で働いた期間も年数に入ります。

告示が要件にしているのは、業務の中身と職場、それに資格の有無だけです。常勤かどうかは書かれていません。

問題になるのは日数のほうです。週2日の勤務だと、1年で100日ほどにしかなりません。180日の運用がある都道府県では、在籍の年数を満たしていても日数のほうで足りなくなることがあります。

逆に、1日の勤務時間が短くても、日数が足りていれば数えられます。時間数で切る決まりは告示にありません。ここも都道府県の運用で違います。

実務ではこう組めます

日数で数える都道府県に申し込むなら、先に自分で勤務日数を出しておくと話が早く進みます。雇用契約書とシフト表があれば、週の勤務日数に在籍週数を掛けて概算が出せます。

証明書を書くのは事業所ですが、依頼のときに概算を添えておくと、事業所も出勤簿を確かめやすくなります。年数がぎりぎりの人ほど、ここで差が出ます。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

数え方でつまずきやすい例

つまずくのは職名で判断してしまうときで、告示が見ているのは業務の中身と職場です。

グループホームの世話人がその典型です。共同生活援助は障害福祉サービス事業なので、職場としては(二)bに当たります。数えられるかどうかは、担当していた仕事が直接支援の業務に当たるかで決まります。介護や、日常生活の動作の指導、生活能力の向上のための訓練を担当していれば直接支援の業務です。家事の援助が中心だった場合は、判断が分かれます。

生活支援員や職業指導員も同じ見方をします。名称ではなく、介護や訓練等を担当していたかどうかで判断されます。

事務の仕事は入りません。千葉県は、障害福祉サービス事業所に経理事務員として8年勤めた場合を、実務経験として認められない例に挙げています。

学校の期間にも注意が必要です。千葉県の一覧は特別支援学級を対象としたうえで、児童の中に障害児がいたという場合は対象外だと注記しています。

資格を取る前の期間は数えられます。千葉県は、保育士や社会福祉主事任用資格などについて資格取得前の期間も含めてよいとしています。資格を取ってから改めて5年、ではありません。

国家資格の経路を「5年」と説明しているものも見かけます。サビ管は3年+3年です。5年は児童発達支援管理責任者の要件で、取り違えられたものです。

証明はどうするのか

実務経験は、勤めていた事業所に書いてもらう実務経験証明書で証明し、研修の申込みのときに提出します。

様式は都道府県ごとに違います。在籍期間、雇用形態、従事した日数、業務の内容を書く欄があるのが一般的です。日数の欄があるのは、180日の運用があるためです。

複数の職場を合算する人は、職場の数だけ証明書が要ります。退職した職場にも依頼することになるので、時間がかかります。要件に近づいたら、在職中に頼んでおくほうが確実です。

書き方と依頼の進め方は、証明書の記事にまとめています。

次に読むもの

よくある質問

Q. パートでも実務経験になりますか?
A. パートや非常勤でも実務経験になります。告示は雇用形態を要件にしていません。ただし多くの都道府県が、1年あたりの実働日数の目安を運用として置いています。週2日の勤務では日数が足りなくなることがあるので、勤務日数を先に数えておいてください。
Q. どの施設が対象ですか?
A. 相談支援と直接支援で、対象になる施設が違います。相談支援は相談支援事業所、児童相談所、福祉事務所、特別支援学校などです。直接支援は障害者支援施設、障害福祉サービス事業所、病院の療養病床などです。告示はどちらにも「これらに準ずる施設」を添えているので、一覧に無い職場でも申請先に確かめる価値があります。
Q. 180日換算とは何ですか?
A. 1年を実働180日以上として数える運用上の扱いです。告示第544号の本文に日数の定めはありません。千葉県は、3年以上の実務経験を「3年以上かつ540日以上」と説明しています。扱いは都道府県ごとに違うので、申込先の案内で確かめてください。
Q. 複数の職場の期間を合算できますか?
A. 同じ区分の業務であれば合算できます。告示は「通算して」と定めていて、1か所での勤務に限っていません。ただし職場の数だけ実務経験証明書が要ります。退職した職場にも依頼することになるので、早めに動くほうが確実です。
この記事の根拠資料
最終確認:2026.08.31

この記事の更新履歴

2026.08.31公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者を雇う側として、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
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実務経験証明書のひな形(Word・PDF)に、項目ごとの記入例と、退職した職場への依頼文例を添えています。

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