サビ管(サービス管理責任者)のOJTとは?
期間・6か月特例・届出
OJTとは、基礎研修を修了してから実践研修を受けるまでの間に積む実務経験のことです。講義を受けるものではありません。
必要な期間は原則として通算2年以上です。基礎研修の受講開始日にすでに実務経験の要件を満たしていた人は、通算6か月以上に短縮されます。特例で従事するのは、個別支援計画の作成にかかわる一連の業務です。
告示が定めているのは、この期間と、従事する業務の2つだけです。「90日以上」という日数や、指定権者への届出は告示にありません。都道府県が運用として求めているもので、内容は自治体ごとに違います。
- 原則の期間
- 通算2年以上(実践研修の受講開始日前5年間)
- 特例の期間
- 通算6か月以上
- 特例を使える人
- 基礎研修の受講開始日にすでに実務経験を満たしていた人
- 特例で従事する業務
- 個別支援計画の作成にかかわる一連の業務
- 期間の起算日
- 基礎研修修了者となった日
- 90日以上・届出
- 告示にない。都道府県の運用要件
目次
OJTという言葉は、サビ管の研修体系のなかで独特の使われ方をします。研修の名前のように見えますが、受講するものではありません。ここでは、期間と中身を定めている告示の原文と、都道府県が出している案内の両方から、境目をはっきりさせて整理します。
OJTとは何を指すのか
サビ管のOJTとは、基礎研修を修了してから実践研修を受けるまでの間に積む実務経験のことです。
新しい研修体系では、基礎研修を終えてもすぐに実践研修へは進めません。あいだに一定期間の実務をはさむ決まりになっています。この期間が、実務の場で慣習的にOJTと呼ばれています。
名前に研修と付いていても、講義や演習に出るわけではありません。働きながら期間を積むものです。会場も日程もなく、勤務先での日々の業務がそのまま中身になります。
告示は「OJT」という語を使っていません。告示が書いているのは、実践研修を受けるための要件としての業務従事の期間です。
原則は何年か
原則は、基礎研修修了後、実践研修の受講開始日前5年間に通算2年以上の業務に従事することです。
対象になるのは、相談支援の業務または直接支援の業務です。実務経験の要件を数えるときと同じ2種類の業務で、特別な業務が指定されているわけではありません。
期間の数え方には窓が2つあります。基礎研修修了者になった日より後であること、そして実践研修の受講開始日から5年前までの間に収まっていることです。
特例に当たらない人は2年が必要になります。次の節の要件を1つでも欠けば、原則に戻ります。
| 比べるところ | 原則 | 6か月の特例 |
|---|---|---|
| 必要な期間 | 通算2年以上 | 通算6か月以上 |
| 対象になる人 | 基礎研修修了者 | 基礎研修の受講開始日にすでに実務経験者だった人満たしていなければ原則に戻ります |
| 従事する業務 | 相談支援の業務または直接支援の業務 | 指定障害福祉サービス基準第58条第2項から第5項までなどに規定する業務 |
| 期間を数える窓 | 実践研修の受講開始日前5年間 | 実践研修の受講開始日前5年間 |
| 起算日 | 基礎研修修了者となった日以後 | 基礎研修修了者となった日以後 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(2)(二) a・b(2026-08-31確認) 原文 ↗
6か月で進める特例とは何か
特例が使えるのは、基礎研修の受講開始日にすでに実務経験の要件を満たしていた人だけです。
実務経験の要件とは、相談支援の業務で通算5年、資格を持たない直接支援の業務だけなら通算8年、国家資格を持つ人なら3年と3年という、あの年数のことです。基礎研修は要件に達する2年前から受けられます。早めに受けた人は、この特例の対象から外れます。
告示が特例について定めているのは、次の2つだけです。
- 基礎研修修了者となった日以後、実践研修の受講開始日前5年間に通算して6月以上であること
- 従事する業務が、指定障害福祉サービス基準第58条第2項から第5項までなどに規定する業務であること
告示が定めているのは2つだけで、ほかの条件は書かれていません。ここを押さえておくと、あとの節の話が読みやすくなります。
原則との違いは期間だけではありません。従事する業務の中身が変わります。原則の2年は相談支援または直接支援の業務ですが、特例の6か月は個別支援計画の作成にかかわる業務に限られます。
「90日以上」「届出」はどこから来ているのか
日数の「90日以上」も、指定権者への届出も、告示には書かれていません。都道府県の運用要件です。
この記事でいちばん確かめてほしいのはここです。ネット上の解説では、90日以上と届出が告示の要件のように並べられていることがあります。実際の出どころは違います。
告示の条文にあるのは「通算して六月以上」という期間と、従事する業務の指定だけです。日数の下限も、書類の提出も、告示に書かれていません。
| 条件 | 出どころ | 全国共通か |
|---|---|---|
| 通算6か月以上 | 告示第544号 イ(2)(二) b | 共通 |
| 個別支援計画の作成にかかわる業務であること | 告示第544号 イ(2)(二) b | 共通 |
| 実際に従事した日数が90日以上1年を180日として数える運用を半年に当てはめた数字 | 都道府県の運用 | 共通ではない |
| 指定権者への届出青森県は様式と添付書類まで指定しています | 都道府県の運用 | 共通ではない |
| 計画作成をおおむね10回以上国のQ&Aを踏まえた目安として示されています | 都道府県の運用 | 共通ではない |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号/青森県「サービス管理責任者等の研修及び経過措置について」令和7年3月(2026-08-31確認) 原文 ↗
青森県の例を見ると、運用の形がよく分かります。同県は特例を使う要件を3つに整理し、その3つ目に指定権者への届出を置いています。届出の様式、勤務形態一覧表、経歴書、基礎研修の修了証の写しまで並べています。
実施の回数についても、十分な実施を担保する観点から、おおむね計10回以上を基本とすると書いています(令和5年3月31日厚生労働省事務連絡)。これも告示の条文にある数字ではありません。
求めるものは都道府県によって違います。ほかの自治体が青森県と同じ様式を使っているとは限りません。届出の要否そのものが違うこともあります。
順番を間違えないことが大事です。先に半年働いてから届け出ると、届出前の期間を数えてもらえないことがあります。特例を使うと決めた時点で、自分の都道府県の案内を確認するのが安全です。
確認するのは3つです。届出が要るか、様式は何か、いつまでに出すか。研修の申込みページではなく、指定申請や変更届のページに置かれていることが多いので、探す場所に注意してください。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
個別支援計画の一連の業務とは何をすることか
告示が名指ししているのは、アセスメントから担当者会議までの工程です。計画の交付やモニタリングは条文の範囲に入っていません。
告示は業務の中身を文章で説明せず、指定障害福祉サービス基準第58条の第2項から第5項までという形で指しています。障害児通所支援などの事業所では、児童福祉法に基づく基準の対応する条項が名指しされています。
| 工程 | 中身 | 告示の指す範囲 |
|---|---|---|
| アセスメント基準第58条第2項・第3項 | 利用者と面接し、心身の状況や環境、意向を把握して支援内容を検討します。 | 入る |
| 原案の作成基準第58条第4項 | 検討の結果に基づいて、個別支援計画の原案を作ります。 | 入る |
| 担当者会議基準第58条第5項 | サービスの提供に当たる担当者を招集し、原案について意見を求めます。 | 入る |
| 説明・同意・交付基準第58条第6項 | 原案を利用者と家族に説明し、文書で同意を得たうえで計画を交付します。 | 入らないみなし配置ではここまで求める運用があります |
| モニタリング | 実施状況を把握し、少なくとも6か月に1回は見直しを検討します。 | 入らない同上 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(2)(二) b/同 平成18年12月6日障発第1206001号(基準第58条の解釈)/青森県 令和7年3月(2026-08-31確認) 原文 ↗
サビ管が配置されている事業所で特例を使う人は、原案を作るところまでを担当します。会議には、サビ管が開く場に参加する形で加わります。この範囲が、告示の第2項から第5項までと重なります。
一方、サビ管を欠いた事業所でみなし配置されている人は、交付やモニタリングまで含めた全工程に従事することを求められます。青森県はこの2つを別の類型として書き分けています。
起算日はいつになるのか
数え始めるのは、基礎研修修了者になった日です。基礎研修の日程が終わった日ではありません。
告示は「基礎研修修了者となった日以後」と書いています。この基礎研修修了者という言葉は、告示のなかで定義されています。基礎研修を修了して修了証の交付を受け、かつ相談支援従事者初任者研修の講義部分を修了している人のことです。
つまり基礎研修を終えただけでは足りません。講義部分をあとから受ける予定なら、その修了証が出るまで期間は始まりません。青森県も、両方の修了証の交付を受けた時点から起算できると案内しています。
もう1つの縛りが、実践研修の受講開始日前5年間という窓です。積んだ期間がこの窓の外に出てしまうと、数えてもらえません。長く間が空いた人は、ここを確かめる必要があります。
どこでやるのか
OJTは、自分が勤めている障害福祉サービス事業所等で行います。研修機関が実習先を用意してくれる仕組みではありません。
告示は、サビ管が配置されている事業所で、第58条第2項から第5項までの業務を基礎研修修了者に行わせることができると定めています。そのうえで、その基礎研修修了者をサビ管に加えて置けば、配置すべきサビ管の数に達しているとみなせるとしています。
この仕組みがあるので、2人目のサビ管等という位置づけで期間を積めます。青森県は、2人目のサビ管等として従事する形と、相談支援や直接支援の業務に従事する従業者として従事する形の両方を挙げています。
原則の2年と違うのは場所の縛りです。原則は相談支援または直接支援の業務なので、事業所以外の施設等での経験も入る余地があります。特例の6か月は指定基準に規定する業務なので、指定を受けた事業所のなかでしか積めません。
そのため事業所の協力が要ります。勤務の位置づけを変え、書類を出し、既存のサビ管に会議へ入れてもらう必要があります。本人だけで完結する手続きではありません。
事業所側から見ると、特例は人員配置の話とセットになります。2人目のサビ管等として届け出るなら、勤務形態一覧表の職種欄をどう書くかまで決めておく必要があります。
先に決めておくとよいのは3つです。誰の計画を担当させるか、会議にいつから入れるか、記録に本人の名前をどう残すか。あとから期間を証明するときに効いてきます。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
次に読むもの
自分がどちらの期間になるかは、基礎研修を受けた時点の実務経験で決まります。先に基礎研修の要件から確かめてください。
- サビ管研修の全体像 … 基礎研修から更新研修までの流れ
- サビ管の基礎研修 … 受講できる時期と申込みの流れ
- サビ管の実践研修 … 受講要件と修了後にできること
- みなし配置のルール … 欠如したときの期間と要件
よくある質問
研修の事前課題・レポート記入例集
基礎研修と実践研修の事前課題について、何を書けばよいかを記入例つきでまとめています。自治体の様式に依存しない汎用の形です。
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