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生活介護の個別支援計画 記入例8本
目標と標準的な時間の書き方

最終更新|制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

生活介護の個別支援計画は、条文が例として挙げる5つの事項を中心に書きます。意向、総合的な支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項などです。この計画は生活介護計画と呼ばれ、生活介護に固有の記載事項は置かれていません。

生活介護では、基本報酬が計画に位置付けた標準的な時間で算定されます。国の参考様式にも、支援の標準的な提供時間を書く欄があります。この記事には、生活介護で相談の多い場面から8本の記入例を載せています。

工賃の額は必須の記載事項ではありません。強度行動障害のある人では、重度障害者支援加算(Ⅱ)(Ⅲ)の要件として、支援計画シート等の作成が求められます。

計画に書く事項
意向/支援の方針/課題/目標と達成時期/留意事項など
計画の呼び名
生活介護計画(第93条で読み替え)
基本報酬の時間区分
3時間未満から8時間以上9時間未満の7区分。計画に位置付けた標準的な時間で算定
見直しの周期
少なくとも6月に1回以上
工賃の額
計画の必須の記載事項ではない
収録している記入例
生活介護のみ8本(すべて架空)
制度基準日2026.10.28
根拠:指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第5項・第93条/報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)第6の1の注1の2
目次

生活介護の記入例を探すと、児童向けの例や、複数のサービスをまとめた例に行き当たります。生活介護は、基本報酬が計画に位置付けた時間で決まる点が、B型やグループホームと違います。ここでは、相談の多い場面から8本の記入例を並べます。時間・工賃・加算との関係は、条文と通知の原文から整理します。

生活介護の個別支援計画には何を書くのか

計画に書く事項は条文が5つの事項を例に挙げていて、生活介護ではこの計画を生活介護計画と呼びます。

条文が記載する事項として挙げているのは次の5つです。留意事項には「等」が付いていて、この5つで閉じた列挙ではありません。

  • 利用者及びその家族の生活に対する意向
  • 総合的な支援の方針
  • 生活全般の質を向上させるための課題
  • サービスの目標及びその達成時期
  • サービスを提供する上での留意事項

生活介護に固有の記載事項は置かれていません。根拠になる条文は療養介護の章にあり、生活介護の章の第93条がこれを読み替えて準用しています。

作るのはサービス管理責任者です。事業所の管理者が、計画の作成に関する業務をサビ管に担当させます。生活介護のサビ管は、利用者60人以下で1人以上、うち1人以上は常勤です。配置の数え方はサビ管の配置基準まとめにまとめています。

原案には、事業所が提供するサービス以外の保健医療サービスや福祉サービス等との連携も含めて位置付けるよう努めます。記入例6の主治医や家族との連絡調整は、この場面にあたります。

様式そのものは、条文に定めがありません。ただし生活介護については、令和6年度報酬改定のQ&Aで、国が参考様式を示しています。計画の標準的な提供時間を書く欄が入っているのが特徴です。

参考様式には、次の欄があります。

  • 利用者及び家族の生活に対する意向、総合的な支援の方針
  • 長期目標と短期目標(どちらも「内容・期間等」の欄)
  • 支援の標準的な提供時間等(曜日・頻度、時間)
  • 項目ごとの支援目標(具体的な到達目標)、支援内容(内容・支援の提供上のポイント等)、達成時期、担当者・提供機関、留意事項(本人の役割を含む)、優先順位

長期と短期の欄はありますが、年数は様式のどこにも書かれていません。

記入例はどう使えばよいのか

記入例は写すためのものではなく、本人のアセスメントに合わせて言葉を置き換えるための型です。

計画は、面接によるアセスメントから立ち上げます。記入例から先に埋めると、この順番が逆になります。利用者が違うのに同じ目標が並ぶ計画は、記録と突き合わせればすぐに分かります。

言葉での表出が少ない人には、条文に定めがあります。自ら意思を決定することに困難を抱える場合、サビ管は本人の意思及び選好並びに判断能力等を丁寧に把握しなければなりません。表情や選んだ場面の記録は、意向の根拠として残せます。

この記事の記入例は、次の6つに、生活介護で足す1つをそろえた形で書いています。

  • 本人の希望 … 面接で本人が話した言葉に近い形で残す
  • 長期目標 … 1年程度で目指している状態
  • 短期目標 … 3か月から6か月で確かめられる行動
  • 支援内容 … 誰が、いつ、何をするか
  • 達成時期 … 長期と短期のそれぞれについて書く
  • 担当 … 日々の支援と、振り返りの担当を分けて書く
  • 標準的な提供時間 … 生活介護で足す欄。曜日・頻度と時間を書く

長期と短期の期間に条文の定めはありません。実務では、短期目標を見直しの周期に合わせておくと評価しやすくなります。

「頑張る」「見守る」のような書き方を直す手順は、別の記事にまとめています。

生活介護の記入例8本

8本は、食事・排せつ・入浴・創作・生産活動・医療的ケア・行動上の課題・高齢化の8つの場面から選びました。

生活介護の1日は、介護と活動が重なって進みます。目標は、その1日のどの場面の話かが分かる形で書くと、支援内容が組み立てやすくなります。担当は職種で書きます。名前で書くと、異動のたびに計画そのものを直すことになるためです。

時間と作業の名前は、事業所ごとに違います。自分の事業所のものに置き換えて使ってください。記入例はすべて架空のもので、特定の利用者の事例ではありません。

記入例1:食形態と姿勢を整えて、安全に食べ続けたい人

  • 本人の希望:「好きなものを、むせずに最後まで食べたい」(食事中の表情と食べ進める様子から。家族からの聞き取りを併記)
  • 長期目標:昼食を、決めた食形態と姿勢で、自分のペースで食べ終える
  • 短期目標:食事の前に姿勢を整え、むせて食事を止める回数を、1食あたり1回以内にする
  • 支援内容:看護職員が食事の前に、座面の高さと姿勢を本人と確かめる。生活支援員が横につき、1口の量とペースを声で伝え、むせた回数を食事の記録に書く。看護職員が主治医から聞いた食形態の助言を、調理担当へ伝える。3か月ごとにサービス管理責任者が記録を本人・家族と見て、食形態を見直す
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(食事の介助と記録)、看護職員(姿勢と食形態の確認)、サービス管理責任者(3か月ごとの見直し)
  • 標準的な提供時間:週5日、9時30分から15時(5時間以上6時間未満)

記入例2:トイレで排せつする機会を増やしたい人

  • 本人の希望:「トイレで済ませたい。おむつを使う時間は、へらしたい」
  • 長期目標:日中の排せつを、トイレで行う
  • 短期目標:午前と午後に1回ずつ、決めた時刻にトイレへ行き、便座に座る
  • 支援内容:生活支援員が、そわそわする、衣服に触れるなど本人のサインに気づいたら、トイレへ誘う。決めた時刻の誘導とあわせて、座った時刻と排せつの有無を記録する。おむつを使う時間帯は、交換の時刻を決めて記録する。月1回、サービス管理責任者と看護職員が記録を見て、誘導の時刻を調整する
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(誘導と記録)、サービス管理責任者と看護職員(月1回の調整)
  • 標準的な提供時間:週5日、9時から15時30分(6時間以上7時間未満)

記入例3:入浴を安心して続けたい人

  • 本人の希望:「お風呂は好き。でも、浴室の音が怖い」(家族からの聞き取りを併記)
  • 長期目標:週2回の入浴を、浴室に入ってから出るまで落ち着いて行う
  • 短期目標:写真カードで入浴の流れを確かめてから浴室に入り、湯船に5分つかる
  • 支援内容:看護職員が入浴の前に、体温と顔色を確かめる。生活支援員が写真カードで流れを伝え、換気扇を止めてから浴室へ案内する。湯の温度は、本人が手で確かめて決める。入浴後の皮膚の様子は、看護職員が記録する
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(入浴の介助)、看護職員(体調と皮膚の確認)
  • 標準的な提供時間:週5日、9時30分から15時(5時間以上6時間未満)

記入例4:作品を仕上げて発表したい人

  • 本人の希望:「絵を描いて、みんなに見てもらいたい」
  • 長期目標:年2回の展示会に、自分で選んだ作品を1点ずつ出す
  • 短期目標:週2回の創作の時間に、20分間続けて色を塗り、仕上がった作品を1点選ぶ
  • 支援内容:生活支援員が画材を2種類に絞って机に出し、本人が選ぶ。作品が仕上がったかどうかは、「できた」「もっと」の2枚のカードで本人が決める。材料費を本人の負担にする場合は、内容と額を前もって説明し、同意を得る。月1回、作品の写真を本人と見て、展示に出すものを選ぶ
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(創作の時間の支援)、サービス管理責任者(展示の調整と材料費の説明)
  • 標準的な提供時間:週4日、10時から15時(5時間以上6時間未満)

記入例5:生産活動で担当の作業を持ちたい人

  • 本人の希望:「仕事をして、お金をもらいたい」
  • 長期目標:担当する作業を2つ持ち、週3日、作業の時間に取り組む
  • 短期目標:箱折りの作業に週2日、1回45分取り組み、途中で休憩を1回とる
  • 支援内容:生活支援員が作業台の高さと道具を本人に合わせ、手順を写真で示す。作業量は、当日の疲れ方を見て本人と決め、作業時間と作業量が過重な負担にならないようにする。月ごとの工賃は、担当した作業と並べて本人に伝える。3か月ごとに、担当する作業を増やすかどうかをサービス管理責任者が本人と話す
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(作業の支援)、サービス管理責任者(3か月ごとの面談)
  • 標準的な提供時間:週4日、10時から15時30分(5時間以上6時間未満)

記入例6:医療的ケアがあり、体調を保って通いたい人

  • 本人の希望:「体調をくずさずに、通える日を増やしたい」(表情と家族からの聞き取りから)
  • 長期目標:週4日の通所を、1年を通して続ける
  • 短期目標:通所の日の体調確認と吸引を記録どおりに行い、体調をくずして早退する日を月1日以内にする
  • 支援内容:看護職員が到着後に、体温、呼吸の様子、顔色を確かめ、連絡帳に書く。必要な吸引は看護職員が行い、回数と時刻を記録する。体調が普段と違う日の連絡先と対応は、主治医から聞いた内容をもとに家族と文書で共有する。利用前の受け入れの準備と、利用後の申し送りの整理に実際に要した時間は、1日2時間以内で標準的な時間に加えることができる
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:看護職員(体調確認と吸引)、生活支援員(日中の様子の記録)、サービス管理責任者(家族・主治医との連絡調整)
  • 標準的な提供時間:週4日。実際のサービス提供時間4時間に、受け入れの準備と申し送りの1時間を加えて5時間(5時間以上6時間未満)。短時間になる理由は、サービス担当者会議で検討し、サービス等利用計画に位置付けてある

記入例7:予定の変更が苦手で、行動上の課題がある人

  • 本人の希望:「急に予定が変わると不安になる。何をするのか、前もって分かりたい」(本人の様子と家族からの聞き取りを併記)
  • 長期目標:1日の流れが見通せる環境で、活動を最後まで落ち着いて行う日をふやす
  • 短期目標:写真カードの予定表で次の活動を確かめてから、移動する
  • 支援内容:生活支援員が前日の終わりに、翌日の予定を写真カードで本人に伝える。予定を変えるときは、当日の朝に別室で本人と一緒に確かめる。席と活動の場所は固定し、変えるときは前日までに知らせる。行動が出た場面は、直前のできごとと対応を記録し、月1回サービス管理責任者と職員で見て、対応をそろえる。支援計画シートを作成している場合は、シートの手順と計画の支援内容を同じ内容にそろえる
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(予定の伝達と記録)、サービス管理責任者(月1回の検討)、実践研修修了者(支援計画シートを作成している場合の見直し)
  • 標準的な提供時間:週5日、9時30分から15時(5時間以上6時間未満)

記入例8:年齢とともに疲れやすくなった人

  • 本人の希望:「前のように1日いるのはしんどい。ゆっくり通いたい」
  • 長期目標:無理のない日数と時間で、1年を通して通所を続ける
  • 短期目標:昼食後に30分の休息をとり、午後の活動に参加する
  • 支援内容:生活支援員が昼食後に、横になれる場所を用意し、30分で声をかける。看護職員が月1回、体重と食事量、疲れの訴えを確かめ、サービス管理責任者に伝える。3か月ごとに、サービス管理責任者が利用の日数と時間を本人・家族と見直す。日数や時間を変えるときは、標準的な時間も計画で改める
  • 達成時期:長期1年/短期3か月
  • 担当:生活支援員(休息の支援)、看護職員(月1回の確認)、サービス管理責任者(3か月ごとの見直し)
  • 標準的な提供時間:見直し前は週5日、6時間以上7時間未満。見直し後は週4日、10時から14時30分(4時間以上5時間未満)
実務ではこう組めます

支援内容の主語は、職種で書き分けます。看護職員の確認と生活支援員の介助を1行に混ぜると、どちらの担当かが記録から読み取れなくなります。

記録は、短期目標と同じ数え方でつけます。むせた回数、トイレに座った時刻、予定カードを使った回数のようにそろえると、見直しの面接でそのまま使えます。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

基本報酬の時間区分は、個別支援計画とどう結びつくのか

生活介護の基本報酬は、計画に位置付けた標準的な時間で算定されるので、計画の時間が報酬区分を決めます。

令和6年度の報酬改定で、基本報酬はサービス提供時間別に設定されるようになりました。それまでは営業時間で設定されていました。時間の区分は7つあります。

  • 3時間未満
  • 3時間以上4時間未満
  • 4時間以上5時間未満
  • 5時間以上6時間未満
  • 6時間以上7時間未満
  • 7時間以上8時間未満
  • 8時間以上9時間未満

基本報酬は、この時間に、利用定員と障害支援区分を合わせて決まります。報酬告示は、現に要した時間ではなく、生活介護計画に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間に応じて算定すると定めています。

通知は、この時間を計画に基づいて行われるべき指定生活介護を行うための標準的な時間と説明しています。原則として、送迎に要する時間は含みません。

標準的な時間と実際の時間が合わない状況が続く場合は、計画の見直しを検討するよう、通知が求めています。運営規程にも標準的なサービス提供時間を定めておき、利用開始の前に説明します。

実際の時間がずれる場面や、時間を足せる場面には、通知が例外を置いています。

標準的な時間の取扱い(生活介護サービス費)
場面標準的な時間の扱い
その日の所要時間が短くなった道路状況や天候、本人の心身の状況など、やむを得ない事情があるとき計画に位置付けた標準的な時間で算定して差し支えありません。
送迎が往復3時間以上必要なサービスを提供する事業所が居住地域にない場合など1時間を、標準的な時間に加えることができます。
障害特性等で、利用時間が6時間未満にならざるを得ない医療的ケアスコアに該当する人、重症心身障害者、行動関連項目の合計点数が10点以上の人、盲ろう者などが挙げられています利用前の受け入れの準備や利用後の申し送りの整理などに実際に要した時間を、1日2時間以内で加えることができます。やむを得ない理由は、本人や家族の意向を勘案してサービス担当者会議で検討し、サービス等利用計画等に位置付けていることが前提です。
送迎時に居宅内で介助を行った着替え、ベッド・車椅子への移乗、戸締りなど計画に位置付けたうえで、1日1時間以内で加えることができます。
実際の所要時間が標準的な時間より長い居宅で介護する人の就業などの理由があるとき日常生活上の世話を行う場合は、実際に要した時間に応じた報酬単価を算定して差し支えありません。

出典:厚生労働省 留意事項通知(平成18年10月31日障発第1031001号・最終改正 令和8年5月28日こ支障第148号・障発0528第1号)第二の2の(6)の②の㈠のア〜オ(2026-10-28確認) 原文 ↗

計画書への書き方は、Q&Aが示しています。実際のサービス提供時間に、配慮規定に当たる時間を加えた合計を、「支援の標準的な提供時間等」の欄に書きます。配慮規定は、次の3つです。

  • 往復3時間以上の送迎
  • 利用時間が6時間未満になる人の、受け入れの準備や申し送りの整理
  • 送迎時の居宅内での介助

実績記録票では、開始と終了の時刻は従来どおり実際の時間を書きます。標準的な時間は、新しく設けられた「算定時間数」の欄に書きます。

延長支援加算は数え方が違います。所要時間は、計画に定める時間ではなく、実際にサービスを提供した時間です。

実務ではこう組めます

標準的な時間は、利用開始の面接で、1日の流れとあわせて本人と家族に確かめます。計画の欄に書く時間、運営規程の標準的な時間、送迎の出発時刻の3つを並べて見ると、食い違いに気づけます。

月末に、計画の時間と実績記録票の実際の時間を人ごとに並べます。ずれが続いている人が、次の見直しの候補です。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

生活介護を利用できるのは、障害支援区分いくつ以上の人か

施設入所支援を併せて受けない50歳未満の人は区分3以上、50歳以上の人は区分2以上が対象です。

通知は、対象になる人を年齢と施設入所支援の有無で分けています。

生活介護の対象となる障害支援区分
利用の形50歳未満50歳以上
生活介護のみ施設入所支援を併せて受けない人区分3以上区分2以上
施設入所支援を併せて受ける人区分4以上区分3以上

出典:厚生労働省 留意事項通知(平成18年10月31日障発第1031001号・最終改正 令和8年5月28日こ支障第148号・障発0528第1号)第二の2の(6)の①(2026-10-28確認) 原文 ↗

この表に当たらない人でも、厚生労働大臣が定める者は対象になります。報酬告示の注にも、同じ区分の定めと、厚生労働大臣が定める者の定めが置かれています。

対象者像は、施行規則が次のように定めています。入浴、排せつ及び食事等の介護、創作的活動及び生産活動の機会の提供その他の支援を要する障害者で、常時介護を要する人です。

生産活動と工賃は、計画にどう書くのか

工賃は条文で支払いが義務づけられていますが、その額は計画の必須の記載事項ではありません。

生活介護の章が定めているのは、収入から必要な経費を引いた額を工賃として支払うことです。B型には、1月当たりの平均額の下限と、年度ごとの目標水準の通知・報告が条文で置かれています。生活介護の章に、これに当たる定めはありません。

生活介護の生産活動と工賃について事業所に課されていること
場面条文が定めていること根拠
工賃の支払い生産活動に従事している人に、生産活動に係る事業の収入から必要な経費を控除した額に相当する金額を、工賃として支払います。第85条
作業時間・作業量作業時間、作業量等が、その人にとって過重な負担にならないように配慮します。第84条第2項
作業の工夫生産活動の能率の向上が図られるよう、利用者の障害の特性等を踏まえた工夫を行います。第84条第3項
個別支援計画の記載事項利用者ごとに書きます意向、総合的な支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項などが挙げられています。工賃の額は含まれていません。第58条第5項(第93条で準用)

出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第5項・第84条・第85条・第93条(2026-10-28確認) 原文 ↗

本人が工賃を増やしたいと話しているなら、目標に入れてかまいません。そのときは、金額だけを書かずに、どの作業をどれだけ担当するかまで書きます。受注が減った年でも、本人の変化を評価できる形になります。

作業時間と作業量への配慮は、支援内容に書いておくと、現場で動きやすくなります。B型の工賃の決まりは、就労継続支援B型の個別支援計画 記入例にまとめています。

工賃とは別に、利用者から受け取れる費用も条文に挙げられています。食事の提供に要する費用、創作的活動に係る材料費、日用品費などです。受け取るときは、あらかじめ内容と費用を説明して、同意を得ます。

実務ではこう組めます

工賃の額を本人に伝えるときは、金額の紙を渡して終わりにせず、担当している作業と工賃のつながりを一緒に見ます。そのまま次の面接の材料になります。

作業の記録は、支援員が毎日つけるものをそのまま計画の材料にします。計画の時期だけ集める作り方にすると、面接の前に慌てることになります。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

食事や栄養の支援は、個別支援計画とどう関わるのか

栄養改善加算を算定するときは、栄養ケア計画に相当する内容を生活介護計画に書けば、栄養ケア計画の作成に代えられます。

通知が、生活介護について置いている取扱いです。栄養ケア計画は、管理栄養士、看護職員、生活支援員などが共同して、栄養管理上の課題と取り組むべき事項を書くものです。

食事そのものについても、条文に決まりがあります。食事の提供では、利用者の心身の状況及び嗜好を考慮し、適切な時間に提供します。あわせて、年齢と障害の特性に応じた適切な栄養量と内容にするため、必要な栄養管理を行います。食事の提供の有無、内容、費用は、あらかじめ説明して同意を得ます。

栄養に関する加算は2つあります。

  • 栄養スクリーニング加算 … 利用開始時と利用中6月ごとに、栄養状態のスクリーニングを行います。BMI、体重変化割合、食事摂取量などを確認し、結果を相談支援専門員に提供します
  • 栄養改善加算 … 低栄養や過栄養状態にある人、またはそのおそれのある人が対象です。摂食・嚥下機能と食形態に配慮して栄養アセスメントを行い、おおむね3月ごとに体重の測定などで評価します

どちらにも、事業所が満たすべき要件があります。要件は報酬改定のたびに動くので、算定の前にその時点の原文で確かめてください。

実務ではこう組めます

栄養スクリーニングの6月ごとと、計画の見直しの6月ごとを同じ月に合わせると、体重や食事量の結果をそのまま計画に反映できます。

食形態の変更は、主治医の助言を聞いた看護職員から、調理担当まで同じ日のうちに伝えます。伝達の流れを支援内容に1行書いておくと、抜けにくくなります。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

強度行動障害のある人の計画は、支援計画シートとどう並べるのか

重度障害者支援加算(Ⅱ)・(Ⅲ)を算定するなら、支援計画シート等の作成が要件に入ります。

対象になるのは、行動関連項目の合計点数が10点以上の人です。(Ⅱ)は区分6、(Ⅲ)は区分4以上の人を対象にしています。(Ⅱ)の対象者は、(Ⅲ)を算定できません。

要件は次のとおりです。

  • サビ管または生活支援員のうち1人以上が、強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の修了者であること
  • 実践研修修了者を配置し、利用者に行動障害を有する人がいる場合は、その人に係る支援計画シート等を作成すること
  • 生活支援員のうち20%以上が、基礎研修の修了者であること
  • 基準の人員と人員配置体制加算で配置する人員に加えて、必要な人員を加配していること

個別支援計画と支援計画シート等では、見直しの周期が違います。

個別支援計画と支援計画シート等の見直しの周期
書類見直す人見直しの周期根拠
生活介護計画個別支援計画サービス管理責任者少なくとも6月に1回以上省令171号 第58条第9項(第93条で準用)
支援計画シート等重度障害者支援加算の要件実践研修修了者原則として週に1回以上、利用者の様子を観察します3月に1回程度留意事項通知 第二の2の(6)の⑪の㈡のオ

出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第9項・第93条/留意事項通知(平成18年10月31日障発第1031001号・最終改正 令和8年5月28日こ支障第148号・障発0528第1号)第二の2の(6)の⑪(2026-10-28確認) 原文 ↗

基礎研修修了者は、支援計画シート等に基づいて個別の支援を行います。支援記録を通じて、支援の経過を実践研修修了者に返す役割も求められています。

実務ではこう組めます

シート等を3月ごとに見直すときに、個別支援計画の支援内容と食い違っていないかを確かめます。食い違いが見つかったら、6月の見直しを待たずに計画の変更に入ります。

シートで決めた対応は、日々の記録にも同じ言葉で残します。計画とシートと記録で言葉がそろっていると、新しい職員も同じ対応を取れます。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

計画の見直しはいつ行うのか

生活介護計画の見直しは少なくとも6月に1回以上で、状態が変われば周期を待たずに行います。

就労移行支援や自立訓練のように、6月を3月と読み替える定めは生活介護にありません。ただし6月は上限です。この間隔で足りるという意味ではありません。

標準的な時間や利用日数は計画に書く内容なので、変えるときは計画の変更として扱います。条文は、計画の変更にも、アセスメントから文書による同意、交付までの手順(第2項から第8項)を準用しています。

計画がない期間は、その利用者について報酬が減ります。作成されていない期間が3月未満なら所定単位数の100分の70、3月以上なら100分の50を算定します。対象は計画がない利用者だけで、サビ管欠如減算のように全員には及びません。

次に読むもの

複数のサービスの文例や、目標の期間の考え方は別の記事にしています。

よくある質問

Q. 生活介護の個別支援計画に、サービスの提供時間は書きますか?
A. はい、支援の標準的な提供時間を書きます。基本報酬が、計画に位置付けた標準的な時間で算定されるためです。国の参考様式にも、曜日・頻度と時間を書く欄があります。配慮規定に当たる時間は、実際のサービス提供時間に加えた合計を書きます。
Q. 生活介護専用の個別支援計画の様式はありますか?
A. はい、国が参考様式を示しています。条文が定めているのは計画に書く事項で、様式そのものではありません。令和6年度報酬改定のQ&Aは、別添の参考様式を参考に作成するとしています。都道府県や市が別の様式を配っていることもあるので、指定権者の案内も確かめてください。
Q. 生活介護の個別支援計画に工賃の金額を書く必要はありますか?
A. 工賃の額は、必須の記載事項として挙げられていません。条文が例として挙げているのは、意向、総合的な支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項などです。生活介護の章は工賃を支払うことを定めていますが、計画への書き方までは定めていません。本人が望むなら、担当する作業とあわせて目標に入れてかまいません。
Q. 生活介護の個別支援計画は何か月ごとに見直しますか?
A. 少なくとも6月に1回以上です。就労移行支援や自立訓練のように3月へ読み替える定めは、生活介護にはありません。標準的な時間と実際の提供時間が合わない状況が続くときは、見直しを検討するよう通知が求めています。計画がない期間は、その利用者について報酬が減算されます。
Q. 強度行動障害のある人には、支援計画シートも作りますか?
A. 重度障害者支援加算(Ⅱ)(Ⅲ)を算定するなら、作成が要件です。実践研修修了者を配置し、利用者に行動障害を有する人がいる場合は、その人に係る支援計画シート等を作成します。シート等は3月に1回程度の見直しとされ、個別支援計画の6月に1回以上より周期が短くなります。
この記事の根拠資料
1.
厚生労働省
2026-10-28確認。第58条(計画の作成等)、第77条、第78条、第82条〜第87条、第93条(療養介護の第57条〜第60条の準用と読み替え)
5.
厚生労働省
2026-10-28確認。3 日中活動系サービス(1)生活介護 ①サービス提供時間ごとの基本報酬の設定(28頁)
6.
厚生労働省
2026-10-28確認。問21(生活介護における個別支援計画の記載方法)、問22(実績記録票の記載方法)
7.
厚生労働省
2026-10-28確認。シート「個別支援計画参考様式」の欄名。掲載ページは https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00012.html
最終確認:2026.10.28

この記事の更新履歴

2026.10.28公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者と一緒に働きながら、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
文例集

個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)

長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。

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